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英会話 個人の利用方法

国際的な税の徴収共助は、そのためのものである。
数年前、OECD(経済協力開発機構)で、多国間の税務執行共助条約が作られた。
そこでは、締約国間で、ある国の国境を越えた税務調査に、相互に協力すると共に、徴収共助の規定も盛り込まれている(日本はまだこれを批准していない)。
日本は、アメリカ、韓国、パキスタン、タイ、フィンランド、ルクセンブルク、ノルウェー、オランダといった、多様な法制度を有する国々との間の二国間租税条約において、徴収共助についての規定を置いている。
それらの国から、自国で取立てられなかった税金を、日本国内のタ″クス・ペイアーの資産から取り立ててくれ、との要請があると、どうなるのか。
口本側が右の要請に応ずるべきだと判断することが、まず必要であるノ要請に応ずるとの判断がなされれば、あとは、日本の国税・地方税と同じ扱いをして、徴収がなされるのである。
もう二〇年以上も前に、そのための(租税条約の実施のための)特別法を、日本は制定している。
租税条約上の徴収共助規定と憲法私としては、このような税の徴収共助(公権力によるエンフォースメントを伴うので、執行共助と呼ばれる)の制度は、実際にも必要である、と考えている。
だが、気になる点がある。
それは、憲法との関係である。
日本の憲法上の大原則として。
租税法律主義というものがある。
租税(税金)は、赤裸々な公権力行使により徴収される。
そこで、国家の側か勝手に税金を取り立てることのないよう、国会で国民の代表によって審議されて制定される法律によって、何についてどれだけの税金がかけられるのかを明確に定めておかねばならない、とされるのである。
そして、この祖税法律主義は、憲法という日本の法体系上の最高位の法規範によって命ぜられている。
従って。
それよりも下位の条約によって、憲法上の租税法律主義を空洞化することは、出来ないことになる。
ところが、租税条約に基づく外国の税金についての徴収共助の場合、大変に面倒な、だが極めて基本的な憲法問題が、生ずることになる。
つまり、ロ本の法律のどこを捜しても、何についてどれだけの税金をとる。
という具体的なルール(法規範)は、存在しないのである。
そのような具体的なルールは、外国の租税法の中には定められているのだろうが、日本国内には、租税条約中の規定と、それを日本国内で実施するための特別法しかない。
いわば、具体的な規律の中身が、日本に対して自国の税金の徴収を要請して来る外国の法秩序に委ねられているのである。
それで、日本の憲法上の租税法律主義を、クリアーしたことになるのであろうか。
ドイツの連邦憲法裁判所の判断ドイツには、憲法問題について最終的な決着を下す、連邦憲法裁判所という特別な裁判所がある。
そこで違憲とされた法規は、もはや適用できなくなる、という強い権限が与えられている(日本の最高裁には、そんな強い権限は、与えられていない)。
ドイツで、オーストリアとの条約上の税の徴収共助規定に基づき、オーストリアの税金(関税)をドイツの課税当局が徴収しようとし、紛争が生じた。
ドイツ連邦憲法裁判所に、この事件が持ち込まれた。
タックスーペイアーの側は、ドイツの租税法律主義に反し、憲法違反だと争った。
有力なドイツの憲法学者の鑑定意見を踏まえての主張である。
だが、最終的にドイツ連邦憲法裁判所は、合憲の判断を下した。
問題は、その理由づけである。
私の見るところ、結局は次のような実質的配慮が決め手とされていたように思われる。
即ち、憲法問題をリジッドにとらえてゅくと、国際的な脱税を防止するために必要を越えた国家間の協力(r共助))と憲凄な、条約による税の徴収共助制度を維持できなくなる。
だから、何としても合憲にせねばならない、といった考え方である。
だが、これはかなり危険な考え方である。
自国内でできないことを、他国と条約さえ結べば出来るようにする。
この発想によって、人々の基本的人権か、容易に踏みにしられることにも、なり得るからである。
ドイツ連邦憲法裁判所は、右のような実質論とは別に、次のようにも述べていた。
少し法技術的な話になるが、オーストリアの税金をドイツで取立てる際、ドイツの実体的課税権は発動していず、単に手続的な課税権のみが発動されている。
だから合憲だ、としたのである。
ややこしい議論であるが、諾弁に近い。
どういうことかと言うと、実体的、つまり課税をするときの中身(何についてどれだけ税金をかけるか。
ということ)については。
もともと税金をかけたオーストリアの課税権のみか発動されている。
ドイツの側は、条約上の義務に従い、右のことを前提にして、手続的な課税権を発動したに過ぎないIつまり、これこれの税金をかけるという外国側の決定に従い、ドイツの税金取り立てのメカニズムを動かしたに過ぎない、とされたのである。
これは、到底納得できない理由づけのはずである。
納税者(タックスーペイア上の側から見れば、問題は明らかである。
そもそも。
ドイツでも日本でも、右の実体・手続両面につき、租税法律主義が貫かれねばならない、とされている。
実際に税金をかけられる者の側からは、条約があるからといって、何故右の実体面での憲法上の制約が、取り払われてしまうのか、その点の理由こそが問題なはずである。
国際協調と憲法それでは、右のような判断が、ドイツの学説でどう評価されているのか。
要するに、右に示した私の疑問と同様の見地から、合憲かどうかは、極めて疑わしいとされつつも、実際の事件が、ドイツとオーストリア間で起きていることが注目されている。
両国ともドイツ語圏であり、法体系も著しく近似している。
その特殊性が、辛うじて右の連邦憲法裁判所の判断の、結論を支持し得るかも知れない、とされるのである。
つまり、全然自国と異なる法体系を有する国との開の税の徴収共助について、それまでを直ちに合憲とする趣旨ではあるまい、とされているのである。
そう思って調べてみると、ドイツは、自国の法体系と類似する面のある国々としか、税の徴収共助の条約上の規定を有していない。
だが、日本はどうか。
既述の如く、様々な法体系の国と、既にこの種の規定を有している。
ドイツ連邦憲法裁判所的な理屈づけでも、おそらく救われない。
だとすれば、一体どうなるのか。
m境を越えた国家間の協力(「共助」)と憲法この場介に限らず、昨今、国際協調がしきりに強調される。
だが、国際協調と憲法との緊張関係は、湾岸戦争の際の自衛隊の海外派遣のような。
マスコミがすぐ飛びつく場面でのみ問題となる訳ではない。
そのことを、ここで私は最も強調したい。
双方可罰性の要件それでは、租税条約上の徴収共助規定と憲法との関係を、どう考えてゆくべきなのだろうか。
若干整理すれば、租税条約中の規定は、共助(執行共助)のための枠組を決めているのみである。
自国の安全等に反すれば相手国からの共助要請を拒絶し得る、という規定は条約中にある。
けれども、あまりに漠然とした規定内容であり、それでは憲法との租税法律主義の要請を、クリアーできない。
漠然たる課税要件を定めるのみでは駄目だ、とされているのである。
祖税「法律」主義なのだから、「条約」は「法律」よりも高次の法規範ゆえ………といった屁理屈は通用しない。

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